【完】さつきあめ〜2nd〜
朝日の家を出てから2ヵ月。
この2ヵ月、わたしがした事と言えば、まずはお客さんへ連絡をとって、きちんと謝罪をする事からだった。
お店を辞めるのも、辞めないのも決めれなかったわたし。自分では何も決めれなかったわたし。そんなわたしがお客さんを繋ぎ止めておくことが出来なかったのは当たり前で、こんな不誠実なわたしから離れて行ったお客さんが少なくはなかった。
連絡を一切返さない人もいれば、怒りを露わにした人もいた。
水のように人もお金も流れていく世界で、小さな繋がりが消えた事にいちいち傷ついたりもしたけれど、どうしようもないわたしへの当然の報いでもあると自分自身で納得もした。
その中でもわたしを待っていてくれていた人も沢山いた。申し訳ない気持ちでいっぱいで、それでも厳しい言葉も嬉しい言葉も全部受け止めると決めていた。
残ってくれたお客さんは圧倒的に付き合いの長いお客さんばかりだった。
限られた時間の中で、お金という切れそうで脆い絆で結ばれている世界の中で、嘘の自分を演じて生きているのに、それでもわたしともう一度会いたいと思ってくれている事実が素直に嬉しかった。
朝日から少しは事情を聞いていたと思うけど、電話でTHREEの店長である小林は、わたしを責めはしなかった。
高橋にはすごく怒られて、でも心配していた、と安堵の声色を電話で浮かべられた時は申し訳ない気持ちに苛まれた。
美優やはるなや綾乃は責めはしなかった。
綾乃や深海は何も言わなかったけど、わたしと朝日の間に何があったのか、あらかた予想はしていたのかもしれない。
美優とはるなは心配してると言って、でも良かった、と言ってくれた。
やはり人の優しさに触れて、自分が情けなくてしようがなくなっていた。
この2ヵ月、わたしがした事と言えば、まずはお客さんへ連絡をとって、きちんと謝罪をする事からだった。
お店を辞めるのも、辞めないのも決めれなかったわたし。自分では何も決めれなかったわたし。そんなわたしがお客さんを繋ぎ止めておくことが出来なかったのは当たり前で、こんな不誠実なわたしから離れて行ったお客さんが少なくはなかった。
連絡を一切返さない人もいれば、怒りを露わにした人もいた。
水のように人もお金も流れていく世界で、小さな繋がりが消えた事にいちいち傷ついたりもしたけれど、どうしようもないわたしへの当然の報いでもあると自分自身で納得もした。
その中でもわたしを待っていてくれていた人も沢山いた。申し訳ない気持ちでいっぱいで、それでも厳しい言葉も嬉しい言葉も全部受け止めると決めていた。
残ってくれたお客さんは圧倒的に付き合いの長いお客さんばかりだった。
限られた時間の中で、お金という切れそうで脆い絆で結ばれている世界の中で、嘘の自分を演じて生きているのに、それでもわたしともう一度会いたいと思ってくれている事実が素直に嬉しかった。
朝日から少しは事情を聞いていたと思うけど、電話でTHREEの店長である小林は、わたしを責めはしなかった。
高橋にはすごく怒られて、でも心配していた、と安堵の声色を電話で浮かべられた時は申し訳ない気持ちに苛まれた。
美優やはるなや綾乃は責めはしなかった。
綾乃や深海は何も言わなかったけど、わたしと朝日の間に何があったのか、あらかた予想はしていたのかもしれない。
美優とはるなは心配してると言って、でも良かった、と言ってくれた。
やはり人の優しさに触れて、自分が情けなくてしようがなくなっていた。