【完】さつきあめ〜2nd〜
朝日が駄目なら光。なんて単純な話ではなかったし
100パーセントの気持ちがないのに光と一緒にいるのなんて失礼な話だ。
けれど、そんな気持ちなんて、やっぱり光にはお見通しだったみたいで。
「別に夕陽の気持ちが全部俺に向いてるとは思ってないよ。それくらい待たせたんだ。そうあって当然だと思ってる。
少しでも俺に気持ちがあるのなら、俺は夕陽と一緒にいたい」
「……それって告白みたい」
「告白なんだけどね。もう何回も言ってるから聞き飽きちゃってると思うけどさ。
それに新店には看板になるキャストが決まってるから、夕陽が働きやすい環境ではないと思うしさ。
七色グループを辞めるのは止めないけど、この仕事を続けるなら働きやすい職場なら紹介出来るよ。大箱じゃなくたっていい店は沢山あるしさ」
「看板になるキャスト?
それって南さんじゃないの?」
ふと思った疑問を口に出すと、光が少しだけ困ったように笑った。
「いや、まぁ南もなんだけどさ。
もうひとり看板になるような子が店に入る事はずっと前から決まってるんだ。
とりあえず俺はもう夕陽とは仕事って関係ではいたくないから」
珍しく光にしては歯切れの悪い答えだと思っていた。けれどこの時はあんな事になるなんて想像もしていなかったんだ。
「まぁ光のお店には行かないよ!
辞めるにしてももうこういう仕事はしないかなぁ~…。
良くしてくれた由真さんたちにも申し訳ないし
とりあえずいきなり辞めるなんてのはないから、とりあえず出勤はするよ!!」