【完】さつきあめ〜2nd〜
涼の言葉が胸にぐさりと刺さる。
けれど言ってる事は当たっていて、こうやってはっきり言ってくれると思ったから、涼に会う事を選んだ。

目の前で黙り込むわたしを見て、呆れるように涼は深いため息を吐いた。

「厳しい事を言ってるように聞こえるかもしれないけど、本当に皆さくらを心配してたんだ」

「わかってる…」

「それで、おっさんとどうすんの?」

「宮沢さんとはどうにもなんないよ…。
そうやって決めたの」

「決めたってそりゃーお前の一方的な感情だけだろ。
おっさんの気持ちはどうなんの?」

「きっと宮沢さんの事だからあたしの事なんてあっという間に忘れていくよ…」

「あーーー…もうお前本当にむかつくわ。
いじいじしたり、悲劇のヒロインぶったり、お前は良い子ぶって自分で満足かもしれねぇけど、切り捨てられた人の気持ちももう少し考えろよ」

悲劇もヒロインぶってるつもりもなくて、良い子になんかなるつもりもなかった。
けれど、他人の目から見ればわたしのやってる事はそう映って仕方がなかったのかもしれない。
涼の言ってる事は正しいし、図星で、それでもその言葉に傷つくのなんか間違ってる。目の前にいる人はわたしを想って厳しい言葉を言ってくれているのだから。

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