【完】さつきあめ〜2nd〜
「どうやらそうみたいね。
ゆりは無断でお店を休んだりするタイプじゃなかったし
仕事に対してはきちんとしてる子だからね」
「何で?!
だってゆりさんは年明けに新店に移る予定だったはずですよね?!
皐月に………」
「そうね…皐月は…ゆりが顔で売り出すはずのお店だった…。
でもそのゆりがお店を飛んだとなると…正直難しいでしょうね…」
「そんな………」
皐月は、朝日の夢だった。
夢を語っていた子供のような顔だった朝日を思い出す。
ゆりの裏切りに1番のショックを受けているのが誰かはわかっていたから
その場で立ち尽くして、何も言えなくなってしまった。
「さくらちゃん、三浦さんに連絡取れる?」
「え?」
「実はそんな噂何となく聞いてたの。
あたしたちが知ってるくらいだから、もしかしたら宮沢さんにも話はいってるのかもしれない。あの人はとっくに知っていたかもしれない。
三浦さんがキャバ嬢をメディア進出させてるのは有名な話よね。それでゆりにもそんな話がいってるって何となく聞いてた。
メディアと連動させて有名キャバ嬢を新しい新店の顔にして売り出すって……」
「だから……それは…皐月での話なんじゃあ……」
そこまで言いかけて、何か言いたげな由真の表情を見て嫌な予感がしたんだ。