【完】さつきあめ〜2nd〜

「で、どうすんの?」

この2ヵ月、どうするのかを自分なりに考えた。
THREEに戻るのか、そもそものこのこと七色グループに居座ってもいいものなのか。
けれど、わたしの果たしたい事は七色グループにいなければ叶えられない願いだけだった。
そんな時、声を掛けてくれたのは由真だった。

「とりあえず3月から双葉で働く事にした…」

「美優はお前の為にTHREEにいてくれたんだろ、自分勝手な話だな」

「そうだね。あたしは涼の言う通りずっと自分勝手だったと思う。
でも…あたしはやっぱり七色グループにいたいし、今は守りたいと思ってる…。
それによく考えたの…。美優ちゃんや高橋くんがいるお店に戻ったら、あたしきっとまた甘えちゃうと思う。
きっと皆優しいし、助けてくれる…。今度はひとりで頑張りたいの」

「お前の頑張りたいは余計人に心配させんだよ」

苛ついたように煙草に火をつける。
それでも涼の言葉の端々からはいつだって優しさを感じる。

ごめんね、しか伝える言葉が見つからない自分自身に苛立っているのはわたしだって同じだった。

「まぁお前の決めた事ならもうこれ以上何も言わないけど…。
お前って頑固なところあるし…。
働く事に関しては何も言わねぇよ。それが七色だろうがダイヤモンドだろうがさ
でも本当におっさんの事はいいのかよ?
お前自身気づいてなかったかもしれないけど、俺はお前がおっさんの事を好きなんだろうなってずっと気づいてたぞ
俺だけじゃねぇよ、皆口には出さないけど、美優や綾乃だって気づいてたんだろ…」


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