【完】さつきあめ〜2nd〜
「涼、あたしね色々と考えたの。
七色グループに入った時から、今日までの事。
色々な人と出会って、沢山の出来事があって…
誰かの為にナンバー1になりたいと願ったり、誰かを憎んでナンバー1になりたいって思った日もあった。
でも気が付いた先には、その後の事なんて考えた事はなかったんだよ。ただただがむしゃらにナンバー1になりたいって走り続けた2年ちょっとだった…。
あたしはいつも誰かに守られてばかりいて、口だけで本気でナンバー1になりたいって思った日があったのかなぁ。
前にいる人は圧倒的で、本当は戦意喪失してこのままでもいっかとか思ってたのかもしれない。
何かあっても、自分じゃない誰かが守ってくれるって…。それは悔しかったし、情けなかったけど…そうやって1番になれない言い訳を考えれば楽だったと思うから」
「俺はお前らキャバ嬢がそんなナンバー1に拘る理由なんて全然わかんねぇし、下らねぇとも思うけどな」
「けどね、この世界にいる人たちはきっとなんだかんだ理由が目的を持ってナンバー1を目指している人たちばかりなの。
この間守られてる側でいつまでいるんだって言われて気が付いた。
いままでずっと沢山の人に守られてきた…でももうそれじゃあいけないんだって…
あたしも戦って、誰かを守りたい。大切な人たちを自分の力で守りたいって」
「…やっぱり俺キャバ嬢嫌いだわ。
けど、お前の事は好きだ」
「あはは、綾乃ちゃんが聞いたら怒るよ~?」
「綾もよく言っててさ、朝日や光がいなかったらあんたもきっとさくらを好きになってたって」
「綾乃ちゃん、冗談きついよ」