【完】さつきあめ〜2nd〜
笑いながら言うと、涼はわたしの瞳をじぃっと見つめた。
初めて会った時から毒舌で、変な顔って言われて、でも初めて何でも言い合える男友達だった。
わたしの方こそ、だと思った日があった。
朝日と光と出会ってなかったら。ふたりより先に出会っていたら
「俺はお前と一緒にいるの楽しいし
キャバ嬢なんて大嫌いだったけど、何かお前の事は好きだし
綾の言う通りなんだと思うよ。さくらは守られたくないって思ってるかもしれないけど、人から愛されて守られるのも才能なんだと思う。
綾がいるのに、お前が困ってると俺は放っておけないしさ
でも綾はそれでもいいって言ってくれるんだ。だって自分だってさくらを放っておけないからって。
つーか俺…お前に告ってるみたいで嫌なんだけど」
照れ隠しなのか、そっぽを向きながら頭を掻く涼に何て返していいか分からない。
「や、やだなー!涼は!
言っておくけど、あたしはもう暫く彼氏なんていらないし恋愛なんてする気ないからね!
それに綾乃ちゃんの事も好きだし!」
「バッカ、お前何勘違いしてんの?
綾がいようがいまいが、お前と付き合うのは論外だって言ってんの。
確かにお前の事は好きだけど、お前と付き合うとかはっきり言ってめんどくせぇ以外の何物でもないし
どーせくだらねぇ事でぴーぴー騒いでぎゃーぎゃー泣いて毎日毎日心労で俺死んじゃうだろうし…
お前と一緒に幸せな未来を、なんて不幸せになる未来しか想像できねーよ」
「それは酷すぎ…」