【完】さつきあめ〜2nd〜

「まぁ俺がお前を好きっていうのは友愛つーか
まぁペット的なもんだ」

「は?!!!そっちのがもっと酷いんですけど!」

「ほら、ペットつーのは何で飼うのか俺も理解できねぇんだけど
だって自分で飯も食えねぇし、トイレの掃除もしてくんねぇし
それでも人っつーのはペットを好き好んで飼うだろ?俺にとって、お前はそういう存在」

「やっぱ酷いよ…」

「いいじゃん。何も出来なくても愛されるなんて幸せな事じゃん。
…でもそんなお前がそのままじゃいけないんだって思い始めたって事は大きな成長じゃん?」

「…成長ついでにお願いがあってきたんだけど…」

はぁーと涼は大きなため息を吐く。

「どこまでも手のかかるやつめ……」

「南さんと連絡を取りたいの!!!」

「南?」

光に頼んでも会わせてくれない。
それ以前に光には頼めない。
光はゆりと新店を一緒に歩もうとしているのだから。
ゆりにもう一度だけでいい、会いたかった。けれどそれを繋ぐもの、色々考えたけれど全然思いつかないんだ。
ゆりは、年明けのダイヤモンドの新しいお店がオープンするまで、EDENで繋ぎで半月働くと聞いた。
12月の後半は、ゆりのバースデーがあるからだという。それならば、EDENで繋がりのある南ならばと思ったのだ。

< 454 / 826 >

この作品をシェア

pagetop