【完】さつきあめ〜2nd〜

「…直接EDENに行こうとも思ったんだけど、きっとあたしは通してもらえない…
ゆりさんに会うには、南さんの力がどうしても必要なの…」

涼はまた、大きなため息を吐いた。

「一通りの事情は綾から何となく聞いてるよ。
けどさ、今更そのゆりさん?と会ってどうにかなる話なのか?」

「それでも会いたいの!どうしてももう1回話がしたい!」

「七色グループがいま大変だってのは経営者じゃない俺だって何となくは分かるよ。
けどお前がゆりさんと会ってなんとかなるもんでもねぇだろ」

「何でもするって!!!」

何とかする!そう言った朝日の表情が浮かんできた。

「もう守られてるだけなんてこりごりなんだ!
何も出来ずに指をくわえて見ているのも!
涼の言う通り会ってどうにかなる話じゃないかもしれない…。あたしのしようとしてる事は無駄なのかもしれない…。
…それでも…あたしに何か出来る事があるのなら全部やってから泣き言は言いたい!!!」

涼に真剣な瞳を向ける。
バカ、と小さく呟いて、涼はポケットから携帯を取り出した。

涼の言う通り、わたしは大馬鹿なのかもしれない。
会ってどうするのかなんて分からない。けれどこのまま会わないでいたら後悔するのだって
いつも後悔ばかりだった。何も出来ずにいた事。
同じようにこれからも後悔し続けるのであれば、何もかもやり切ってから後悔をしたいって

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