【完】さつきあめ〜2nd〜
そしてゆりはわたしへと静かに耳打ちをした。
「双葉に三浦さん通ってたでしょ?
三浦さんは有明さんの店へあたしが移籍するって事知ってて暇つぶしであなたの方へ通ってたんですって
全然あたしの方がいいって言ってたわよ。
ONEにあなたが来たら、三浦さんはどっちを指名するでしょうね?」
それだけ言い残し、ヒールの音をコツコツと鳴らしながらお店を後にした。
「…何であんな約束した?」
久しぶりに会う朝日。こんな風な再会の仕方だったなんて。
「あたし、事情を由真さんに話に行きます。
双葉にだって迷惑かけちゃうし
朝日も……ONEでゆりさんのバースデー打つ準備ちゃんとしてね」
立ち上がり、マスターにお金を払ってコートを着て出て行こうとした。
「待てよ!さくら!」
それを追いかけるように朝日が肩を掴む。
ビルを出れば、冷たい風が吹きすさぶ。けれど掴まれた右肩は温かかった。
そう、この温もりにずっと守られてきた。
「ONEで?!
ゆりとなんて……無謀もいいところだよ!
ゆりはお前と持ってる客の太さが違いすぎる!あいつが客ひとりでどれだけ売り上げるか分かってんのか?」
「双葉に三浦さん通ってたでしょ?
三浦さんは有明さんの店へあたしが移籍するって事知ってて暇つぶしであなたの方へ通ってたんですって
全然あたしの方がいいって言ってたわよ。
ONEにあなたが来たら、三浦さんはどっちを指名するでしょうね?」
それだけ言い残し、ヒールの音をコツコツと鳴らしながらお店を後にした。
「…何であんな約束した?」
久しぶりに会う朝日。こんな風な再会の仕方だったなんて。
「あたし、事情を由真さんに話に行きます。
双葉にだって迷惑かけちゃうし
朝日も……ONEでゆりさんのバースデー打つ準備ちゃんとしてね」
立ち上がり、マスターにお金を払ってコートを着て出て行こうとした。
「待てよ!さくら!」
それを追いかけるように朝日が肩を掴む。
ビルを出れば、冷たい風が吹きすさぶ。けれど掴まれた右肩は温かかった。
そう、この温もりにずっと守られてきた。
「ONEで?!
ゆりとなんて……無謀もいいところだよ!
ゆりはお前と持ってる客の太さが違いすぎる!あいつが客ひとりでどれだけ売り上げるか分かってんのか?」