【完】さつきあめ〜2nd〜
そして、わたしはあなたに恋をした。
出会ったのはキャバクラだったし、それはドラマチックな初恋でもなかったけれど
沢山の人の出会いの中で、普通の恋をした。
そして、愛を信じられないあなたを…愛してた。
偽物が飛び交う世界で変わらなかった唯一の物。
愛していたの。だからもう、あたしを許さなくていいよ。
「朝日、あたし、光と寝たよ」
振り向かないまま、そう言った。朝日がどんな顔をしているのか見たくなかったから。
「朝日は朝日の好きなように生きていい。
美月の事だってあたしが口を挟む事じゃない。
この先あたしの事が許せなくても、愛せなくても、一緒にいる未来なんてなくていい。
けれど、皐月を守って…
あなたの夢を捨てたりしないで。ほんのちょっぴりでいい。あなたが背負ってる荷物あたしにも背負わせてよ」
「さくら!!!」