【完】さつきあめ〜2nd〜
小さくなって何度も謝る彼女を決して許さなかった。
傷つけても、傷つけても、足りなかった。本当にさくらを愛していたから。
本当に愛しているからその人の幸せを願う。そんなの綺麗ごとだよな。
「絶対許さない……」
愛していたから、許せなかった。
いくら綺麗に見せていても、これが俺の本性。
呪いのように繰り返された母親の言葉。
俺は兄貴より優秀で、何でも手にしてる。持っていない人に分け与え、聖人でいたかった。
可哀想な兄貴に、全部譲っている優れている自分。本当はそうじゃない。けれどそう在りたかった。
大切だと言った。愛してるとも思った。
でも誰よりも兄貴を蔑んで、家族としてちっとも認めていなかったのは自分自身だったんだ。
そんな醜い感情を誰にも気づかれたくなかったし、自分が1番気づきたくなかった。
さくらの告別式は雨が降っていた。
号泣する俺と、さくらの遺影を睨み続けた兄貴。それもまた対称的で
あの頃は色々な噂が駆け巡っていた。
さくらは兄貴のせいで死んだ。俺からさくらを無理やり奪い取った。そのせいでさくらは自殺した。沢山の人から同情の目を向けられて、非難は全て兄貴に浴びせられた。
そして、兄貴自身もさくらが死んだのは自分のせいだと思い続けている。
傷つけても、傷つけても、足りなかった。本当にさくらを愛していたから。
本当に愛しているからその人の幸せを願う。そんなの綺麗ごとだよな。
「絶対許さない……」
愛していたから、許せなかった。
いくら綺麗に見せていても、これが俺の本性。
呪いのように繰り返された母親の言葉。
俺は兄貴より優秀で、何でも手にしてる。持っていない人に分け与え、聖人でいたかった。
可哀想な兄貴に、全部譲っている優れている自分。本当はそうじゃない。けれどそう在りたかった。
大切だと言った。愛してるとも思った。
でも誰よりも兄貴を蔑んで、家族としてちっとも認めていなかったのは自分自身だったんだ。
そんな醜い感情を誰にも気づかれたくなかったし、自分が1番気づきたくなかった。
さくらの告別式は雨が降っていた。
号泣する俺と、さくらの遺影を睨み続けた兄貴。それもまた対称的で
あの頃は色々な噂が駆け巡っていた。
さくらは兄貴のせいで死んだ。俺からさくらを無理やり奪い取った。そのせいでさくらは自殺した。沢山の人から同情の目を向けられて、非難は全て兄貴に浴びせられた。
そして、兄貴自身もさくらが死んだのは自分のせいだと思い続けている。