【完】さつきあめ〜2nd〜

「いってぇなぁ!!!!本当の事を言っただけだろう!!
明美さん俺と同い年の子供いるんだからおばさんじゃん!!」

「おねぇさんと言いな!!」

見た目は高橋のいう通り年配のお母さんみたいな人。
けれど美容師歴は30年以上らしく、七色グループが出来て以来の専属美容師さんらしい。
普通の家庭の主婦らしく、この時間だけ女の子たちの髪をセットしに来ているらしい。

「年は取ってるけど、腕は確かだから!
順番つーのは早いもん勝ちだから、あんたもセットしてほしかったら早くお店に来な!!」

「は、はい!
さくらです!よろしくお願いします!!」

「ゆりなんて何か気取っちゃってわざわざ自分の美容室で毎日セットしてんのよ。
あのくらいのセットならあたしだって出来るっつーのに」

明美はぶつぶつ文句を言っていたけれど、さばさばしていて話がしやすそうな人だった。

「さくらさん、マジっすよ~!明美さんちょーー手際いいっすよ!!」

「そうそう、この髪型可愛くないですかー?」

そこにひょいっと顔を出した2人を見て、びっくりして言葉が出なかった。

「…どうして」

やっと出た言葉。
高橋の顔を見ると、少し微笑んでいた。
目の前にいたのは、双葉の愛とるなだった。

途端にいつかの記憶が蘇る。

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