【完】さつきあめ〜2nd〜
「へへへ!もちろんあたしもその気持ちに変わりはないっすよ!!
さくらさんには沢山助けられたんです!少しはあたしに頼ってくださいよ!!」
「愛ちゃんまで…。やだな…。泣きそうなんだけど……」
涙を堪えてるわたしの隣で、高橋が呟く。
「あの日みたいだな。
お前がTHREEに移籍になってめちゃくちゃ落ちてて泣いて出勤出来ないって泣き言言って
あの時も俺や美優がTHREEへ移籍した」
そう、あの日を思い出していたの。
ひとりぼっちで不安で、でもそこには高橋や美優がいてくれた。
「お前ってやっぱり人に助けられる運を持ってる女だな」
「ひとりで頑張るって決めたのに……」
「いいんじゃん?自分を助けたいってそういう風に人に想ってもらえるのってさくらの才能のひとつなんだと思うし」
「ばんばん指名とって、どんどんボトル開けて売り上げあげまくっちゃいましょ!!!」
そう言ったるなと愛の背中、すごく頼もしく見えた。
ずっとばたばたしていて、ふたりとはゆっくりと話す時間はなかった。
聞きたい事が沢山あったけれど、忙しなく動く日々の中でどうしても言えなかった事も
「愛ちゃん…るなちゃん………
美月ちゃんは元気…?」
ずっとずっと心に引っかかっていた事。
小さな命の幸福も願えなかった、小さな自分。