【完】さつきあめ〜2nd〜
「あなたがゆりに負ければ、ONEはきっと無くなる。
そうなれば今月のポイント数なんていくら自給に反映されようとあたしにとっては何も損じゃないもん。
でもあなたは来期のポイント数を気にした。それって自分がゆりに勝つ気があるって事でしょう?
意外に自信家でびっくりした~」
「いや…そこまで深く考えて言ったわけじゃなくて……」
確かにわたしが負ければONEはなくなる。そうしたら今月の売り上げなんて、キャストには関係ないのだ。
「あっはっはっ!さくらちゃんって本当に聞いてた通り面白い人だねぇ!!
分かってるって!そこまで深く考えてないなんて事ぉ~!!」
「それじゃ…何で…」
「何で?何となく?」
「な!何となくでって!!
困りますよ!!あたしはあたしひとりの力で頑張るって決めてるんですから!!」
「頑張るって何を?」
「だから…指名とか…売り上げとか…」
ふふふとまた雪菜は小さく笑った。
「何が…可笑しいんですか?」
「いや、全部可笑しいかな?
大体ゆりに勝てるって考える事自体面白いし
どの席でも精一杯頑張りすぎちゃうところも笑っちゃう!」
まさか馬鹿にされているのか?
雪菜の考えている事が全く分からない。