【完】さつきあめ〜2nd〜
「諦めないどころか、本気で勝ちにきてる。…今日の接客見ればあたしにだってわかる…。
ほんと可笑しな子。
負ける時の事なんて何も考えちゃいないんだもん。
そんなあなたを応援してくださるお客様はきっと沢山いるわ……
あなたが置き忘れた、過去にもきっと…」
「どういう事でしょうか…」
「日本人が分かりやすいサクセスストーリーが好きって事よ」
「全然雪菜さんが言ってる事が分かりません……」
「もぉ~結果を急ぐ子だなぁ~!
宮沢さんが心配してた通りね」
「朝日?!」
言葉に出して、両手で口を塞ぐ。
「あははは!やっぱり可笑しい!宮沢さんの名前出した瞬間ちょぉ焦ってやんの~!!」
「ちが…ちがう…あたしと宮沢さんは別に何でもないので…」
「隠してたってONEの子たちなら大抵知ってるのでご心配なく。
こんなお祭り騒ぎが起こってるのも、あなたやゆりが拘ってる物も」
「…宮沢さんが何か言ってましたか?」
「無理だよ、って。宮沢さんらしくないよね」
無理だよ。そんな事を陰で言われていた事に更に落ち込む。
…聞かなきゃ良かった。
その様子を見て、雪菜はまた楽しそうに笑った。