【完】さつきあめ〜2nd〜
「あたしも、あなたの見たい未来を一緒に見たくなった。
それがあなたに協力する理由。それで満足かしら?
まぁどう考えても不利なのは全然変わらないけど、あなたへ協力する気持ちはあなたが諦めるまで変えるつもりはないわよ。
さって、明日も忙しいから帰ろうかな~!
あ!さくらちゃん!明日はあたしのお客さんと店前同伴いれておくからね!気にしないで、あなたはあなたの仕事をしていればいい」
そう言って更衣室を出て行こうとした雪菜を、思わず引き留める。
「雪菜さん!!」
「なぁに?まだ話したい事があるの?」
「それでもまだ……納得いきません…
そうだとしても…雪菜さんがあたしに協力してくれる理由が分からない…」
「あたしはただ単純にONEが好きなだけ。
好きだから、この店が生き残る可能性のあるあなたに気持ちを賭けた。
それがいま現在わたしが頑張ってあなたをナンバー1にする理由。
好きだから、頑張る。それ以上の理由っている?」
返ってきたのは、思ったよりずっとシンプルな答えで
曇りのない答の中で、やっと腑に落ちた。
いつだって、答えはシンプルで良かったはずなのに
どうしてわたしたちはこんなにこんがらがってしまったのだろう。