【完】さつきあめ〜2nd〜
「本気で思ってるんですよ!美容師さんって本当に魔法使いみたい!
自分じゃ絶対こんなに出来ないですもん。ほんと、すごいなぁ~!」

「全くあんたって子は………
可愛いよね、性格が。あんたを応援したくなる気持ち、少し分かるわ…」

「ねぇ、明美さん、今日のワンピースどれがいい?!」

「さくらは可愛い系より綺麗めの方がいいわよ」

「あはは!明美さんって髪型やワンピースまで全部出会った頃の高橋くんと同じような事いうよ!!
やっぱり高橋くんって元々センスある人なんだなぁ。
あのね、あたしがキャバ嬢になった頃は高橋くんも新人の黒服で、初めて担当になってくれた人なの!
高橋くんの言う通りの髪型ワンピ着て、メイクしたら自分によく似合っていてすごい人だなぁって思った!だからいまこんな時期のONEの店長に抜擢されるなんてやっぱり高橋くんはすごい人だってつくづく思うよ!」

「高橋は、さくらがいたから頑張れたって言ってたけどね」

「えー!!まさかー!!」

明美と話をしていると、更衣室に雪菜が入って来た。

「あぁ…またさくらちゃんに先越されたぁ!!!」

大袈裟に悔しがる振りをする雪菜。
いつも軽々しい口の利き方をする彼女だったけど、真面目な一面もあって
いくつもの顔を持つ人だと思う。そんなどことなく掴めないところも、彼女の人気の理由なのだ。

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