【完】さつきあめ〜2nd〜

「別に……
全部シーズンズでさくらがヘルプでついてくれた客ばかりじゃない…。
あたしは応援してあげてなんて一言も言っちゃいないわよ。
ちょっと事情話したら、勝手に行ってるだけなんだから」

「あらー綾乃素直じゃないのー!さくらの応援してあげてって言ってたじゃない」

「うるさいなぁー。
あたしの客ははるなの細客なんかと比べて結構金払いのいいのが多いから、役立つんじゃない?」

「むぅー!そりゃー真実だけどさぁ!!」

「いえいえ2人共すごぉく助かってる!!
本当に嬉しい!!」

はるなと、綾乃。
シーズンズからずっと一緒。
どこのお店に行っても、ずっとこうやって仲良くしてくれる。人との出会いは財産だ。
ふたりとも、ゆりとわたしの勝負を知っていて、こうやって協力してくれるのだ。

「いやー…でも本当にはるなさんと綾乃さんには助けられてますよ!」

「まぁ高橋も出世したもんよねぇ。
こんな大きなイベントがあるONEの店長だものね」

「本音を言えばさくらの味方をしたいところですけど……
まぁ宮沢さんがそういうの抜きでゆりさんのバースデーを盛り上げてくれる人間を店長にしたんでしょう。
THREEの小林さんだったらさくらに情が移ってるからゆりさんの指名客をONEに入れなさそうな暴挙に出そうだ」

高橋の言葉に驚いて目を丸くする。

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