【完】さつきあめ〜2nd〜

「無理ばかりしてるんじゃないか?」

「全然!今日!ゆりさんの売り上げに勝ったの!」

「知ってるよ。嬉しそうに宮沢さんが言ってきた…」

「朝日が?!」

「あぁ…。別に勝負関係なく、お前がゆりに売り上げで勝った事を自慢げに俺に話してきたよ。
さくらはすげぇ奴なんだなって…。今更かよって思ったけど、あの人は本当に子供みたいだ…」

「そっかぁ…。そっかぁ!!」

あの朝日が喜んでくれるなんて…。
仕事をしてきて、こんなに嬉しかった事はあっただろうか。

「正直……さくらがここまでのキャバ嬢になるなんて実は思ってなかった…」

「失礼だよ…深海さん…」

「いや、何となくお前の雰囲気で売れるってのは分かってたし
さくらはここって時に勝負強い女の子だったし、昔から。
でも宮沢さんと俺は同じ考えだった。さくら、雪菜にONEであったろう?」

「うん!雪菜さんはすごく協力してくれるし、何考えてるか分かんない部分があるけどすごく優しい人だよ!」

「…そう。雪菜はすごく優しい。
キャバ嬢的には雪菜タイプだと思ったから。
さくらはいい意味でお人好しだから、あんまり争いとか好きじゃないんだろうなって。
雪菜に関しても宮沢さんはずっとゆりを追い抜けるだけの実力がありながら、本人に戦う気がない奴って。
この世界は何だかんだ言って負けん気の強い奴じゃないとダメだから
さくらも雪菜と同じでキャバクラの世界では優しすぎるって」

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