【完】さつきあめ〜2nd〜
「確かに…ゆりさんに比べたら甘いかもね…」
「だからこそ……宮沢さんはさくらに期待してなかったわけじゃなくて
こういう世界にお前を居させたくないって言ってたなぁ…。
大切だったんだろうな」
「うん………」
信頼されてない。頼りにならない。それを悲しんだ日があった。
でも、もしかするとゆりは朝日にとってそんな存在になりたかったんではないのだろうか。
朝日とずっと結婚したいと言っていた彼女。彼女が本当になりたかったものは、七色グループの圧倒的なナンバー1だったのだろうか。
「でもな、有明さんは違ったぞ」
「光…?」
「あぁ。有明さんはさくらはゆりを超えるって…ずっと言ってたなぁ…。
有明さんってずっと宮沢さんに仕事上でコンプレックスがあったみたいだけど
最近じゃあ有明さんの方が先見の明があるんじゃないかって思い始めてる」
「てゆか…雪菜さんも同じ事言ってた…」
「有明さんが夜の店をやっていく中で本当に看板にしたかった嬢ってさくらなんじゃないかな?」
シーズンズにいた頃。
光が好きでたまらなかった日々の中で、光の理想とする人間になりたかった。
光に認められたかった。でも光はずっとわたしを認めてくれていたんだ。