【完】さつきあめ〜2nd〜
「…あなたが羨ましいわ…。
こんなに朝日に愛されてるのに…それだけじゃなくて…
あなたは自分である事と同時にキャバ嬢としても朝日に認められがってる。
…確かに欲深いかもしれない…
でも…あたしもゆりも結局そうなろうとしなかった…。
あたしは、あなたの立場でもゆりと戦おうとしなかった。どうしてか分かる?」
「分からないです…あたしは何にも分かっていない…」
ゆりや菫が抱える、切なすぎるほどの強い想いにも。
「今のあたしじゃ、ゆりに勝てないから。
ゆりに勝てないって分かってて、自分のプライドを自らへし折る事なんてしたくなかった…
でもあなたは違うのね。
小林さんや高橋くんがあなたを応援したくなる気持ちが少し分かる気がするわ。
あなたは沢山の人の気持ちを動かす事が出来る人。あたしなんかじゃ、勝てっこないわ」
「そんな事……」