【完】さつきあめ〜2nd〜
「その私の後悔が、今の様だ。
茉莉花は家に帰らないし、俺は光や綾を上手く愛してはやれない駄目な父親になっていった…。
この手に掴んだ物は昔私が望んだ全てだったはずなのに…
欲しかった全てがかすんでいった…
私は幼い頃からお前に言いたい事が沢山あったが、かすみに似ているお前の顔を見るたびに何も言えなくなった…。
だからこんな私をお前が責めるのは当然で、お前が私を父親だと思えないのは自分に課せられた当然の罰だと思っている…」
父の声が震えている。
それでも、どうして、としか言いようがなかった。
後悔ばかりで結局何も掴めなかった男が、同時に不憫でたまらなくなったりもした。
「それでも私は……お前を愛している……」
自分勝手に生きてきた男から、聞きたかった言葉。
幼い頃から、何度問いかけようと思い、止めてきた事か。
産まれてきて良かったのか?何度も自分を責め続けてきた事。
形のない物を信じる事が出来なかった。だから形なき人の気持ちを信じる事がずっと出来なかった。
「許せるわけがない……」
「それは当たり前だ。
お前は私の事を許さなくて良い」
「許せない……けどあなたの言葉を今日聞けて良かったです…」
茉莉花は家に帰らないし、俺は光や綾を上手く愛してはやれない駄目な父親になっていった…。
この手に掴んだ物は昔私が望んだ全てだったはずなのに…
欲しかった全てがかすんでいった…
私は幼い頃からお前に言いたい事が沢山あったが、かすみに似ているお前の顔を見るたびに何も言えなくなった…。
だからこんな私をお前が責めるのは当然で、お前が私を父親だと思えないのは自分に課せられた当然の罰だと思っている…」
父の声が震えている。
それでも、どうして、としか言いようがなかった。
後悔ばかりで結局何も掴めなかった男が、同時に不憫でたまらなくなったりもした。
「それでも私は……お前を愛している……」
自分勝手に生きてきた男から、聞きたかった言葉。
幼い頃から、何度問いかけようと思い、止めてきた事か。
産まれてきて良かったのか?何度も自分を責め続けてきた事。
形のない物を信じる事が出来なかった。だから形なき人の気持ちを信じる事がずっと出来なかった。
「許せるわけがない……」
「それは当たり前だ。
お前は私の事を許さなくて良い」
「許せない……けどあなたの言葉を今日聞けて良かったです…」