【完】さつきあめ〜2nd〜
「きゃー!!!あんた何で濡れてんの!!」
「あの、明美さん…。
雨が降っていて…」
「そんなの知ってるわよ!大体夕方から大雨の予報だったじゃない!なのに何で濡れてんの?!
傘持ってこなかったの?!」
「いや、傘は持ってたんですけど……
なんか雨に打たれたくなって…」
「全然理解出来ないっ!本当にバカじゃないの?!
もぉ~っ!これ髪を乾かすところから始めるしかないわよ~…」
「だって相変わらず1番だし、時間はたっぷりあるし」
「あたしの面倒を増やすんじゃないって言ってんのよ!!」
ONEのヘアセットルーム。
口では怒りながらも、わたしの髪にドライヤーをあてる明美がいる。
「それに今日はさくらが1番じゃないわよ」
更衣室から鼻歌を歌いながらやってきた彼女。
雪菜は既にセットを終えており、缶コーヒーを手にもって機嫌が良さそうにセットしているわたしの隣の椅子に腰をおろした。
「雪菜さんおはようございますっ!
今日は早いんですねっ!」
「同伴があるからねー!って、さくらもか。
つぅかさくらがONEに来る前まではいつもあたしが出勤1番だったんだから!」
「雪菜さんは本当に真面目ですね~!」
「別にっ!全然真面目なんかじゃないし!
それに出勤前に明美に髪の毛セットしてもらいながら世間話するの好きだからだしっ!」