【完】さつきあめ〜2nd〜

「キャバ嬢社長って柄じゃないよ…。
そういう宣伝塔はゆりさんとかの方が全然向いてると思うし……
でも七色グループが経営する美容室とかいいと思う!!!」

そこにパッと美優の顔が思い浮かんだ。
いま、美優は美容の学校に通っている。
キャバ嬢と美容関係の仕事。繋がってるは繋がっているのだろうけど、一緒に仕事をする場所にはなり得ないと思っていた。
でももしも将来美優が資格を取って、同じ仕事じゃなくても同じ場所で働けていたのなら、それってすごく楽しそうだと。

「ちょっと~……あたし正社員とかそういうの絶対嫌なんだけど。
ONEでまったり数時間働いて、女の子とべちゃくちゃお喋りして世間話聞いてるのが好きなんだけど!あんたたち勝手に人の就職決めないでよ!!」

「あはは~!だってぇ~もしも明美が美容室やってたら髪切ったりカラーもしてもらえるならそのお店通うも~ん!」

「はいはい!あたしも!明美さんだったら通います!」

「だから勝手に話進めてるんじゃないっての!!」

明美と雪菜と話をしていると時間はあっという間に流れて
鏡の前で見違えるような自分が出来上がっていた。
髪のセットを綺麗にしてもらえると、気合いが入るのは何故なんだろう。


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