【完】さつきあめ〜2nd〜
「だから真面目な顔してそんなこっぱずかしい言葉言わないでよぉ!!
ささ、同伴行ってこよう~っと。今日はさくらちゃんにサプライズのお客さんを連れて行くからね!!」
「サプライズ?元木さんですか?」
「元木院長は毎日のように通ってんじゃ~ん!今日も忘年会だって病院の人と団体で来てくれるよぉ!
何かい忘年会やってんだって話だけどね!!」
「確かにっ!元木さんは部下から好かれてますよね。雰囲気も雪菜さんに似てるような…
やっぱり指名嬢とお客さんって似てくるのかなぁ…」
「…指名嬢とお客さんが似てくるのは何となく分かるけど、元木さんと似てるは心外だわ…」
「褒めてるんですよぉ!!明るくてあっけらかんとしてて~部下の人から好かれてる感じが似てるなぁ~って!
てゆーかサプライズのお客さんって誰ですか?!」
雪菜は一瞬考えるような素振りを見せて「それじゃあサプライズになんないじゃんかー!」といつものように無邪気に笑った。
「じゃ、同伴いってきま~!!頑張ろうね!!さくらちゃん!!」
「はいっ!」
更衣室を出ていく時、雪菜は足を止めてこちらを振り返った。
「ほんとにそのドレスよく似合ってるわ……」