【完】さつきあめ〜2nd〜
七色グループの中で1番の大箱であるONE。
そこを任されるのはプレッシャーも大いにあると思うし、高橋自身は深海と仕事がしたかったとは思うのだが
彼の正式な店長を後押ししたのも深海自身であった。
THREEは相変わらず小林が店長で、いつも会うと戻っておいでよ~、と泣きつかれる。
今は目立った看板嬢がいないTHREEだけれど、七色グループの中では敷居の高いお店ではなく、フランクに働ける環境ではあるので、特に若い女の子の面接が絶えないと言っている。
きっとこのお店でも、新たな看板が育っていくのだと思う。
どんな場所でも、輝ける女の子は必ずいる。
嬉しい事に双葉でも由真と沢村がいつでも戻っておいでと言ってくれている。
でも、双葉は由真がいる限り安泰だと思っている。
打倒、ONE。同じグループであれどONEより大きな店へするという由真の信念は強くて、最近では皐月に続きメディア露出の多い店でもある。
そして、それにノリノリなのは勿論レイで
レイは光から、元々はダイヤモンドの店であったEDENへ来ないか?とラブコールをかけられていたのだが
それは南の抜けた後のEDENの穴をレイに埋めてもらいたい、という、光のレイへの期待でもあったのだが、レイはそれをきっぱりと断った。
今の自分を作ったのは、由真さんと沢村さんだと言って。
そして愛とるなも変わらずに双葉で働いている。
「あ、っと俺そろそろ戻らなきゃ!!」
雑誌を閉じて、涼が立ち上がる。