【完】さつきあめ〜2nd〜
「休憩ほんっとちょっとしかないんだね~…。
何か無理やり時間作ってもらっちゃってごめん!!」

「いやまだまだ休憩あるんだけどっ!外で弁当食わなきゃいけない!」

涼の手の中にはお弁当と水筒。
気持ちがポッと明るくなっていってしまう。

「ヒューヒュー愛妻弁当~!」

「うるせっつの!!」

「いいね。なんかお弁当とか素敵。
あたしもいつか誰かに作れたらいいなぁ」

「お前はまともに恋愛した事ないからな」

「べーっだ。これから沢山するんですうぅ~っ!
なんって言ってもあたしはまだまだ若いからぁ~!
さぁって、エステと美容室予約してるからあたしもそろそろ出ようかな~!
途中まで一緒に行こう!!」

カフェを出て、桜の木の前で足を止める。
少しだけ涼と共に風に揺れる桜を見つめていた。

ふわりと大きく吹いた風に、髪が揺れる。

「じゃあ、ここで」

「…さくら、髪が伸びたな」

「今日、バッサリ切ってもらっちゃおっかな」

「まぁお前は長くても短くても似合うと思うよ
じゃあまたのちほど」


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