【完】さつきあめ〜2nd〜
「俺はお前とゆりが勝負するって聞いた時ほどさくらを手放した事を後悔した瞬間はないよ。
でもさくらは俺が思っていた通り…いや思ってた以上のキャバ嬢になってくれていた。

…皮肉な話だよ。
俺は、お前にゆりを超えるキャバ嬢になってほしかったわけでもなくて
ただただ普通に一緒にいれればそれで良かっただけなのにな……。
何もかも気づくのが遅すぎて嫌になるわ…
自分の女々しさも嫌になるしさ」

「何か…ごめん…
あたしやっぱり光に中途半端な事ばっかりしちゃったし」

「それは俺がどっちつかずの態度をとってたから…。
あ~あ~…好きな物の理由なんて考えたり、立場なんて考えずに
好きなら素直にさっさと好きって言ってたら良かったのに…
俺っていっつもそうなんだよね。色々頭で考えて、結局行動に移せない、みたいな…」

「それは光が優しいから
光のいいところだよ!!
光が頭で考えてばかりなのはきっと皆が幸せになるように考えすぎてしまうせいだと思うの
それにそんな光の優しさに救われた人だって沢山いたと思うし」

「どうだか…」

少しだけ苦笑気味で笑う。


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