【完】さつきあめ〜2nd〜
「ママー!見て!ひこうおき!!」
翔は嬉しそうに飛行機の玩具を両手で掲げた。
「もぉ~!
さくらさん、翔に甘すぎっ!
この間もプレゼント貰ったばっかじゃん!!」
「いいじゃん!!買い物してて玩具屋見るとついつい入っちゃうんだもん!!」
「小さい頃から甘やかしてたらろくな子供にならないんだから!!」
飛行機の玩具を手に取って、ぶーんぶーんなんて言って翔は嬉しそう。
「プレゼントは誕生日とクリスマスだけにしてくださいね!!
はい、トイレットペーパー!切れてたでしょ!」
「お、美月ちゃん気が利くねぇ~!すっかり忘れてたぁ~!」
「飲み屋でトイレットペーパーはマストですよ。
はい、領収書。今日ドラッグストアで特売だったから3つ買っておきましたから!」
あの時、美月のお腹の中にいた小さな命が
今は色々な表情を見せる大きな子供に成長していった。
そして今、美月は文月で働いてくれている。
「あと、これ!
さくらさんにお弁当です!
私たちの夜ご飯の余りですけど」
「え~!ありがとう~!美月ちゃんの料理美味しいから嬉しい!」
「さくらさん最近忙しすぎて店でカップラーメンばっかり食べてるでしょ!
駄目ですよ!体が資本なんですからね!」