【完】さつきあめ〜2nd〜
遠回りをした。
道はいつも1本道ではなかった。1本道であろうとすればするほど、それていってしまって
色々な場所に迷ってしまっても、最終的なゴール地点が同じであるのなら、それでいい。
手繰り寄せた道の先に、必ずあなたがいるような気がする。
たとえあなたへ続かない道があるとしても、わたしは探し続けると思う。
それをこの世界にある言葉で表すとしたら、運命以外見つけられないんだから
「夕陽……」
抱きしめていた手を離して、朝日が真剣な瞳でこちらを見つめるもんだから
「ふっ」
「はぁ?!何笑っちゃってんの?!」
「不意打ちの本名はやばい。
誰にもずっと呼ばれてなかったから、焦る」
「これから先も俺以外に呼ばせないよーに!」
「何?いきなり俺様みたいになるの止めてよ。気持ちが悪いんですけど」
「お前って、照れると口が悪くなるよな。ロマンチックな事が好きなくせに」
「あなたに言われたくはないです」
照れると口が悪くなく事さえ、あなたと出会って知った自分の一部。
あなたは出会った時から、わたしの知らないわたしを見つけてくれた。
わたしが笑うと、朝日は照れくさそうに笑った。
その意地悪そうな笑いだって好きだ。
再び朝日がわたしの体を抱きしめて、小さく呟いた。
「最近小さな頃に光と話した話の続きを思い出したんだ」
「えー…何?」
朝日に抱きしめられた肩越し
風で桜の木が少しだけ揺れて
花びらがふわりと何枚か舞い散って行った。
それがまるで五月雨のようで
わたしは愛する人の胸の中で、ゆっくりと目を閉じて
彼の言葉に耳を傾ける。
柔らかい桜の匂いが鼻を掠めて
春の訪れを告げてくれた。
道はいつも1本道ではなかった。1本道であろうとすればするほど、それていってしまって
色々な場所に迷ってしまっても、最終的なゴール地点が同じであるのなら、それでいい。
手繰り寄せた道の先に、必ずあなたがいるような気がする。
たとえあなたへ続かない道があるとしても、わたしは探し続けると思う。
それをこの世界にある言葉で表すとしたら、運命以外見つけられないんだから
「夕陽……」
抱きしめていた手を離して、朝日が真剣な瞳でこちらを見つめるもんだから
「ふっ」
「はぁ?!何笑っちゃってんの?!」
「不意打ちの本名はやばい。
誰にもずっと呼ばれてなかったから、焦る」
「これから先も俺以外に呼ばせないよーに!」
「何?いきなり俺様みたいになるの止めてよ。気持ちが悪いんですけど」
「お前って、照れると口が悪くなるよな。ロマンチックな事が好きなくせに」
「あなたに言われたくはないです」
照れると口が悪くなく事さえ、あなたと出会って知った自分の一部。
あなたは出会った時から、わたしの知らないわたしを見つけてくれた。
わたしが笑うと、朝日は照れくさそうに笑った。
その意地悪そうな笑いだって好きだ。
再び朝日がわたしの体を抱きしめて、小さく呟いた。
「最近小さな頃に光と話した話の続きを思い出したんだ」
「えー…何?」
朝日に抱きしめられた肩越し
風で桜の木が少しだけ揺れて
花びらがふわりと何枚か舞い散って行った。
それがまるで五月雨のようで
わたしは愛する人の胸の中で、ゆっくりと目を閉じて
彼の言葉に耳を傾ける。
柔らかい桜の匂いが鼻を掠めて
春の訪れを告げてくれた。