【完】さつきあめ〜2nd〜
「綾乃ちゃんたちが?
そうですね。同伴でお客さんと来てくれてると思うので、最初に着きます」
双葉に復帰した時も、綾乃たちはお店に来てくれた。
まだお礼もろくに出来ていない。バースデーが終わったらTHREEの美優のところに顔を出そうと思っていた。美優は今月で七色グループから卒業をしてしまうから。その為にバースデーが終わった平日に休みをとったのだ。
シーズンズにも行って、深海とも会いたいと思っていたところだ。
それでも綾乃たちは、去年と同様にバースデーに来てくれた。
「あ、さくら
って、えぇぇぇー?!」
わたしに1番に気づいた美優がソファーから立ち上がり、大げさな声を出して、こちらに向かって指をさす。
それに気づいて、綾乃とはるなも驚いた表情を浮かべる。
3人が連れてきたお客さんも同様だ。
「今日はわざわざ来てくれてありがとうございます。
バタバタしちゃってごめんなさい!」
美優がわたしの腕を取って、背伸びをしながら髪を撫でる。
「さくら髪切ったの?!」
「うん。切っちゃった。変かな?」
「全然変じゃない!むしろ短い方が似合うかも~!!かわいい~!!」
美優は自分の腕を、わたしの腕に絡ませて、きゃっきゃっとはしゃいで見せた。
「あんたって本当に顔が小さいのね」
その横ではるながぼそりと呟いた。
「いやいやそんな事ないですよー!てゆーかはるなさんの来てくれてありがとうございます!浅井さんも!」
「おぉ…髪中々似合ってるぞ?」
浅井ははるなの横で照れ臭そうに頭を掻いた。
その横で、綾乃が穏やかに笑っている。