壊れそうなほど。

唇を求め合ったら、甘い刺激であっという間に体が火照った。クラクラする。

「だからダメって言ったのに」

少し甘い声。漏れる息が熱い。太ももに、ユキの熱を持った硬いものが当たって、下半身がどうしようもなく疼いた。

「沙奈、どうしたいの」

すっかりその気なくせに、ユキはしれっと訊く。

「えー、ユキは?」

「入れたい」

「やだ、もっとロマンチックな誘い方してよ」

わたしが口を尖らせたら、ユキは少し考えてから

「いただきます?」

軽く笑ってそう言って、本当に食べるみたいに唇に貪りついた。

裸になって、指で、舌で、お互いの隅々まで愛撫し合った。シャワーも浴びてないわたし達は、汗でしょっぱくて、全然いい匂いもしなくて、でもそんなことも愛しくてたまらないの。
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