壊れそうなほど。

10分ほどで返信が来た。トオルを誘ったのは、彼がおれと同学年のM研元部長だからだ。

『あー、今やってんだっけ。OK! 行こうぜ』

時間と待ち合わせ場所を決めて、トオルとのやり取りを終えた。

何があるわけではない。別に佑介くんやら優輝斗やらとの関係を疑っているわけでもない。携帯の充電だって、そりゃ切れる時は切れる。

ただ無性に、今すぐ沙奈の顔が見たくなっただけだ。この妙な不安を取り除きたいだけ。

布団を抜け出して、バスルームに移動した。バスタブを跨ぎ、シャワーカーテンを閉める。

狭いユニットバス。寮だから文句も言えない。さっさと結婚して引っ越して、広い風呂でゆっくり沙奈と一緒に…………あ。つい下半身が反応した。

……そういや最近セックスどころか、一緒に寝た記憶もない。そりゃ不安にもなるか。
< 113 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop