壊れそうなほど。
「そういえば2人はお昼食べないの?」

そう尋ねた多田さんの手元には半分くらい食べ進めたソースカツ丼。シゲちゃんはオムライスを大きな口でほおばっている。

「オレは今日二限までだからあとでいいや。沙奈は?」

うちの大学は、履修登録が終わると何故か一週間空けてスタートする講義が多い。そんなわけで、今日は休講だらけ、結果1日オフなのだ。

「あ、わたしも今日は…」

そう答えかけた時、

「佑介」

背後から、ボソリと低い声。

「んあ?」

佑介は背中と首を思い切り後ろに反らせた。そんな無理な体勢を取らずに、素直に振り向けばいいのにと思う。

「おー、ユッキー! わりいね、待たせて」

「ん、別にへーき」

どうやらこのボソボソくんが助っ人のようだ。
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