壊れそうなほど。

ユキにはとりあえず「いいよ」とハート付きで返した。お風呂が壊れたのなら仕方ない。

幸いなことに、啓吾はうちの合鍵を持ってはいないし、急に来ることもない。大学祭のことがあるから一概には言えないけれど、平日は大丈夫。

「……でさあ、それ用の曲をいくつか作ってんだけど」

佑介が話題に上げているのは来月のライブ。来月、12月はM研のクリスマスライブだ。

「うん」

相槌を打つ。でも上の空だ。ユキが泊まりに来る件で頭がいっぱい。

……そもそも啓吾とうちでは会わない。来たことはあるが、泊めたことはない。だから多分、土日も平気。

「だから………沙奈に……だよ」

「うん」

……でもなあ。困ったなあ。

「……てわけで……8時くらい……おっけ?」

「え? あ、うん」

あれ、話、全然聞いてなかった。
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