壊れそうなほど。

『忘れてたのかよ。ま、いーや。家だろ? オレ、音源持っていくわ』

「え、今!?」

今はまずい。だってユキがお風呂に……。

『うん、今。明日までに決めといてほしいし』

「いや、でも今は……」

しかし、間に合うはずもない。何しろ、佑介のアパートはわたしの家のはす向かいなのだ。

『あ、着いたわ』

深いため息をつきながらロックを外すと、勝手にドアが開いた。

「お、料理してんじゃん。……あれ? このクロックスってさあ」

「あーっ! それはあれ! 彼氏…」

「沙奈、タオルー」

最悪のタイミングで、ユキが出てきてしまった。

「うおっ、ユッキー! しかも全裸!」

ちなみに、うちのお風呂に脱衣場はない。

「佑介? なんでいんの?」

……あーあ。
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