壊れそうなほど。
「あ、えっと、タオルね。……はいっ」
ユキに慌ててタオルを渡すと、彼は少しふくれっ面でそれを受け取った。気まずい。
「ねえ佑介、沙奈んちよく来んの?」
「へっ? ……いや、たまに?」
「ふーん」
「あ、新曲の音源持ってきたんだよ! オレんちすぐそこだからさ」
「へえ。……とりあえず服着てくる」
ユキはまだ何か言いたそうな顔をしつつ、部屋の奥へと消えた。
「おい、やっぱ浮気じゃねーか」
そこにすかさず、佑介の呆れた口調が飛んでくる。こっちも気まずい。
「しかもオレ、なんか疑われたし」
「……ごめん」
「はい、これ。ま、二人で聴いといて」
「うん……」
「つか、浮気とかしてんじゃねーよ。バカだな」
佑介は少し笑って、わたしの頭をくしゃっと撫でた。
「佑介、わたし……」