壊れそうなほど。
「えっと、この人がドラマーの多田さん。でその隣のペコちゃんみたいなちんちくりんが、キーボードのシゲ」

「ちょっと佑介さん、ちんちくりんって何ですか!」

佑介が優輝斗くんにバンドメンバーを紹介していく。

「んで、コイツがボーカルの沙奈」

佑介は少し体を後ろに引きながら言った。

「あ、沙奈です。よろしくね」

声をかけると、優輝斗くんは前髪を掻き上げながらこちらを向いた。

左目が露になって、わたしを捉える。

一重なのに大きくて黒目がちな、あどけない瞳。

……なんだか吸い込まれそうだ。

優輝斗くんはその不思議な瞳でこちらをじっと見つめたまま、

「ふーん、よろしく」

にこりともせずに素っ気なく言った。


とにかく無愛想で変なやつ。

これが彼の、第一印象。
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