壊れそうなほど。
「あ、おなか空いたよね」
「うん。死ぬ」
「えー! 急ぐから待ってて」
「うん。頑張る」
よかった、いつものユキだ。
ユキは部屋に戻り、タバコを吸い始めた。わたしは何やかんやで全然進んでいない揚げ物を、やっと再開する。
わたしも腹ぺこだ。この10分くらいで、エネルギーを使い果たした気がする。特に最後の、佑介のくだり。あーあ。
──佑介と付き合っていたのは、高校3年の春から大学1年の夏までの1年半だ。周りが呆れるほど仲がよかったわたし達。
けれど……あの時の1歳差は大きかった。わたしが大学生になり地元を離れ、佑介は受験生。遠いし忙しいし、会いたいのに会えない。環境が違い過ぎて、どんどん噛み合わなくなった。
電話しても無言が続くようになった夏の初め、わたしは佑介にフラれた。