壊れそうなほど。
その佑介が、まさか同じ大学に入学してくるなんて。M研の新歓コンパで再会した時は、さすがに動揺した。せめて、ひとことくらい知らせてほしかった。
啓吾のことは、佑介には話せなかった。だってまたベーシストって……。まあ、元カレに今カレの話をわざわざする必要もない。
佑介が元カレという事実は、サークルでは全力で隠している。啓吾に知れたら大変だもの。OBとは言え油断はできない。
佑介は、まるで付き合う前のように接してくる。だからわたしもそうする。そうするけれど。
なんだか、恋人だったことをなかったことにされているみたいで、少し寂しい。
だから、さっき頭を撫でられて、あまりに懐かしくて、思わず泣きそうになった。
でも、終わったものは終わったのだ。今は、親友? 理解者? まあ多分、一緒にいていちばんラクな相手だ。