壊れそうなほど。
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外に出たら思いのほか気温が高くて、裏地に起毛がついたパーカーなんて着なきゃよかったと少しだけ後悔した。冬は一体いつからなんだろう。季節ってわからない。
エントランス前には、宅配便の大きなトラックが止まっていた。そこをすり抜けて敷地を出ると、道路脇にツアラーVをすぐに見つけた。真っ白だし大きいから目立つ。
「おはよう、啓吾。お待たせ」
「おはよう。ぜんぜん待ってないよ」
多分10分くらい待たせたというのに、いつもの目がなくなる笑顔を向けてくれる。優しい。
土曜日の今日は、啓吾と久しぶりのデートだ。
ちなみにユキは家にいないから、鉢合わせる心配はない。昨日やっと業者が来て、ユキの家のお風呂が直ったのだ。
もうわたしの家は勘弁。たった3日で寿命が縮んだ気がする。