壊れそうなほど。

厚意を素直に受け取れないのは、心にやましいことがあるからだ。

ただ単純に、そろそろデートに連れてってやろう、と思ってくれただけかもしれない。あの大学祭最終日も、本当にただのサプライズだったのかもしれない。

でも。怖くて仕方ない。

啓吾は今、何を思っているのだろう。どこまで気づいてる?

どうしてわたしは、ユキとの関係を始めてしまったのだろう。開き直る度胸もないなら、浮気なんかしなきゃよかったのに。

……浮気? ううん、そんな言い方したくない。

ユキのことを好き過ぎて、自分の気持ちにどうしても逆らえない。

……じゃあいっそ、啓吾と結婚するの、やめる?

「あ、そうだ。年が明けたらさ、少しずつ式場とか探し始めようか」

「えっ?」

急に結婚式の話が出て、心臓が飛び跳ねた。
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