壊れそうなほど。

次はジェットコースター。また1時間以上待つらしい。今日は残念ながら、どのアトラクションもこんな感じのようだ。日が悪い。

でも、沙奈は待つことなんて全く苦にならないようで、アトラクション内の装飾に目をキラキラさせている。そんな顔を見ていると、連れてきてよかったと改めて思う。

「そういえば、ここ来るの2年ぶりくらいだな」

「そうだね。付き合い始めた頃来たよね。わりと近いのに、なかなか来ないよねー」

「近いから余計そうなのかもな。あ、でもおれが忙しくなったせいもあるよな」

「関係ないよ。たまに来るからいいんでしょ? こういうとこって。久しぶりだから、いるだけですごい楽しい」

「そっか、よかった」

沙奈の手をぎゅっと握ると、ふんわりとした笑みが返ってきた。大丈夫。

……大丈夫って、何だよ。
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