壊れそうなほど。

友達が多いのはいいことだ、でも、それがほぼ男。沙奈に女友達は殆どいない。

学科の女の子達とはどうもウマが合わないようだ。国立大学のせいか、真面目で垢抜けないやつが多く、派手な言動が目立つと、人種が違うと敬遠されがちだ。パレードの眩い光で金髪がかった彼女の髪を眺めながら、仕方ないとため息をつく。

そもそも沙奈は、ゲームだの少年マンガだの、趣味も男っぽいから、女より男の方がラクなのかもしれない。とにかく、結果的に沙奈の周りは男だらけだ。

幸い、沙奈は彼らに友情以外の感情はなさそうなのだが、問題は相手側。小さな身体、愛嬌のある顔立ち、その上人懐っこい沙奈はモテる。彼女は気づいていなかったが、M研で沙奈を狙っていた男は、おれ以外に何人もいた。

──だから。

早く独り占めしたくて、プロポーズした。

やり方、汚いよな。
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