壊れそうなほど。

久しぶりの沙奈の体。触れているだけで興奮してイッてしまいそうだった。

はやる気持ちを懸命に抑えて愛撫をする。久々だからなのか、それとも眠いからなのか、沙奈の体はいつもより反応しない。しかし、途中でやめられるほど、おれは大人じゃない。

満を持して彼女の中に入る。全身にぶわっと鳥肌が立った。危ない。

沙奈を抱いているという悦びとあまりの気持ちよさに、夢中で腰を動かしていたら、沙奈が小さく「……ん」と声を漏らした。もっと聞きたい。愛おしくてたまらない。壊してしまいたくなるほど。

でも、永遠に抱いていたいのに、興奮し過ぎていつもより早く果てた。情けない。

キスをしようと顔を上げたら、沙奈が涙ぐんでいて慌てた。乱暴にしすぎてしまったかもしれない。

「ごめん……痛かった?」

「あ……ううん、大丈夫」

笑顔で首を振る沙奈に安堵した。

けれど。

おれはこの時、沙奈の涙の意味を、もう少しきちんと考えるべきだったのだ──。




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