壊れそうなほど。
待ち合わせは駅前。人の多い土曜の夜でも目立つ金髪頭が、俺に気づいて軽く手を上げた。
「よ、お疲れ!」
「うん、まじ疲れた」
「わりーね、昨日の夜飲みに行けなくて」
「ん、へーき」
本当は昨日PAバイトのあと飲もうとしてたけど、佑介に急用が入って今日になった。でもむしろ今日の方がいい。昨日も沙奈に会ってない、でも昨日はえびすデーじゃないから、ずっと電話してたし。
二人でその辺の居酒屋に入った。男二人で居酒屋なんて初めてだ。
そもそも俺達は最近まで10代で、年齢確認される店が多いから、できるだけ年確されないバーや飲めるレストランを選んでいた。だから、居酒屋自体あんまり来たことない。
店内はかなり混んでいてほぼ満席。変なカップルシートのような席がちょうど空いて、ラブラブな感じで座った。なにこれ。