壊れそうなほど。

運ばれてきたジンジャーハイボールを、佑介はごくごくと勢いよく煽った。わりと炭酸強いのによくいけるな。

俺、炭酸きついの苦手だからちびちび。なんでこれ頼んだんだろ。名前で選んでミスった。

「つーか沙奈に、啓吾さんと別れてって言わねーの?」

「んー。沙奈には言ってないけど、ぶっちゃけ別れてほしーよね」

「だよなあ」

「けどさ。沙奈と啓吾、2年ちょい付き合ってんだよ」

「え、2年ちょい? ……へえ、そう。結構長いな」

また違和感のある反応が返ってきた。普段よりなんかリズムが悪い。まあ、話題のせいかもだけど。

「てか、ただの男ならともかく、婚約者だよ? しかも社会人だし、金持ってるっぽ」

「は!?」

「ちょ、あぶなっ!」

俺が言い終わる前に、佑介が急に身を乗り出してびびった。顔面ぶつかり寸。

「いや、だって! 婚約ってなんだよ!?」

あれ、知らないの?
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