壊れそうなほど。
「沙奈のこと好きなのに、なんで俺のこと応援すんの?」
「んー……だってユッキー、沙奈のこと大事にしそうじゃん」
残念ながら、佑介は「好き」を否定してくれなかった。あーあ、どうしよ。
「てか佑介、なんで自分で行かないの?」
そう訊いたら、佑介の横顔がぴくっと反応した。深いため息。おちょこがコトリと音を立てて、狭っ苦しいテーブルに置かれた。
「オレにそんな資格ねーよ……」
ようやくこちらに向き直った佑介は、情けないほど弱々しい顔だった。
「資格ない? なんで?」
「昔、オレがガキ過ぎて、沙奈のこと傷つけたから」
昔? 昔って、高校時代のことか?
「なにそれ? ケンカ?」
「いや、そんなんじゃねーよ」
俺の問いかけに、佑介はまるで泣きそうな顔で笑った。……ぜんぜんわかんない。