壊れそうなほど。
「あ、オレ飲み物買ってくるけど。ユッキーなにがいい?」

ミキサーに電源だけ入れた佑介は、さっき脱いだばかりのスニーカーにまた足を突っ込んだ。

「んー、コーラ?」

「何で疑問形なんだよ。了解」

佑介は軽く笑いながら部室を出ていった。

他のメンバーはまだ来ないようだ。一人になった俺は、あぐらをかいて室内を見渡す。

ジュースの染みであちこち汚れたねずみ色の絨毯。なんか、今日の空みたい。

周りの壁は煙草のヤニで黄ばんだというかもはや茶色だ。元は何色だったんだろう。

それにしても狭い。あとヤニ臭い。

大学生サークルが予想外に劣悪な環境で活動していることに驚いていたら、

ガチャッ

ドアノブが回る音が響いて、今しがた佑介が出て行ったばかりの扉が勢いよく開いた。
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